
髙島野十郎《月》(部分)昭和37(1962)年 福岡県立美術館
お知らせ
- 2025.4.30公式サイトを公開いたしました。
髙島野十郎は、「蝋燭」や「月」などを独特の写実的筆致で描く福岡県久留米市出身の洋画家です。没後50年の節目に開催する本展は、代表作はもちろんのこと、初公開も含めた約150点を展示する過去最大規模の回顧展です。「孤高の画家」と呼ばれてきた彼の芸術が形成されたルーツを遡り、生涯、野十郎が自身のよりどころとしてきた仏教的思想を読み解きつつ、青年期や滞欧期の作品など、従来の展覧会ではそれほど大きく取り上げられることがなかった部分にも焦点を当て、その芸術の真髄に迫ります。さらには、野十郎の画業や芸術観の背景にあるものや彼が生きた時代の動きを探ることを通して、美術史のなかに野十郎の画業を位置付けることもめざします。
髙島野十郎とは?

撮影:片山攝三
髙島野十郎(たかしま・やじゅうろう/1890(明治23)年~1975(昭和50)年)
1890(明治23)年、福岡県御井郡合川村(現・久留米市)の裕福な酒造家であった髙嶋家の五男に生まれる。本名は彌壽(やじゅ)。福岡県立中学明善校(現・明善高等学校)に学んだ頃から絵に目覚め、長兄の宇朗(詩人)の友人であった青木繁を知る。そのため、旧制第八高等学校(現・名古屋大学)を経て東京帝国大学(現・東京大学)農学部水産学科を首席で卒業するものの、画家の道を選んだ。以後も独身を貫き、独学で絵を学んで美術団体にも属さないことで、流行や時代の趨勢に流されることがなかった彼の画業は、自らの理想とする絵画を生み出す行為そのものであった。
1980(昭和55)年、福岡県文化会館(現・福岡県立美術館)にて開催された展覧会「近代洋画と福岡県」に《すいれんの池》が出品され、無名の画家であった野十郎の評価が始まった。その後、1986(昭和61)年に初の回顧展となる「写実にかけた孤独の画境 髙島野十郎展」が福岡県立美術館で開催されて以降、連続的に展覧会が開催され、その作品や画業の全体像が明らかになってきた。代表作《蝋燭》や《月》をはじめとする作品は、卓越した技量と、緊張感さえもみなぎる独特の写実的筆致を魅力とする。

撮影:片山攝三

大正9(1920)年 福岡県立美術館
Highlight
見どころ

過去最大規模、初公開作品も含めた約150点を公開!

作品における仏教的思想や、青年期・滞欧期などの画業初期に注目

「孤高の画家」像を解体し、野十郎の素朴な人間像に迫る
Work
作品紹介
Exhibition Overview
開催概要
各会場の開館時間、チケット等詳細については各館の公式ウェブサイトでご確認ください。
千葉会場
2025年7月18日(金)~9月28日(日)千葉県立美術館
【主催】千葉県立美術館
【企画協力】毎日新聞社
【協賛】JR東日本、大和ハウス工業
【協力】ブルーミング中西
福岡会場
愛知会場
2026年1月6日(火)~3月15日(日)豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp
【主催】豊田市美術館、毎日新聞社
【協賛】大和ハウス工業
【協力】ブルーミング中西
大阪会場
栃木会場
2026年に東京会場で開催予定。